グラフィティプロジェクト その後

 『グラフィティプロジェクト』で制作をした直後、
 “□△×” という “タグ” を描かれてしまいました。

 

 あそこに描いた“モラルコード”は功を奏さなかったという結果になり、
 本当に残念でした。

 正直ショックもありましたが、事態には必ず原因があるはずです。
 めげずにその原因を模索することとします。


 “□△×”は文字の上には描かず、(つまり、情報を奪いはせず)
 その際に貼っていたクリスロード様の許可証の上と、
 絵の縁、そしてまだ描かれていない壁面にしか描かれていませんでした。
 実際、絵の真ん中に描かれた“タグ”は1つか2つでした。

 更にグラフィティライターの意志を伝えに来た青年の話の中に、
 (討論の中でエキサイトした上ですが)
 「あの絵はそれらしく描いたのがバレバレの模倣だから、早く塗りつぶしたらいい」
 との痛烈な指摘も頂きました。


 そこで、これらのことから仮説を立てます。

・仮説1 “グラフィティ自体が低レベルだから”

 私も今回、練習や下絵などできるだけの努力はしましたが、
 あれだけ大きな絵を描くことは初めてだったのでうまくいかないことも多く、
 また、壁面の大きさの関係から文字が多くなってしまったことから、
 絵画性が薄れ、「低レベルなものだから上に描いて塗りつぶしてやれ」という
 考えに発展したとも思われます。

 また前述した批判の中にもあった通り、実際に批判をされているので
 大きな原因はこれにあると考えられます。

 そして、隣にあるバイクの上には描かなかったことから、
 両者の違いは明らかにクオリティなので、推測できます。

・仮説2 “許可を得ていたから”

 グラフィティは反社会性を秘めたカウンターカルチャーであると、
 私は認識しています。
 その中で、“許可を得る”という行為自体が、非合法で努力しながら制作を続けてきた
 ライターにとっては冒涜である、と考えられたのかもしれません。

 許可証の上に描かれていたことからも、
 これは推測できます。

・仮説3 “効果的に名前を売り込むため”

 グラフィティプロジェクト進行の際、多くの通行人の方に興味を持っていただき、
 改めて、あの壁面の立地の条件がいいことを強く感じました。

 さらに、HPにあの壁面からアクセスしてくださる方も多く、
 絵の善し悪しはともかく注目を集めていることは確かです。

 そこで、この壁に名前を描き、“タグ”の主目的である『売名行為』を
 行ったのではないでしょうか。

・仮説4 “挑発”

 絵を台無しにするつもりはないような描かれ方をしてあり、
 また文字を塗りつぶすなどもないため、研究自体への批判ではないと捉え、

 「この場所に絵を描くにはまだ早い、この上からもっとすごい絵を描いてみろ」

 とのメッセージが込められているのかもしれません。

・仮説5 “批判”

 もっと単純に、「気に食わないから台無しにしてやれ」
 というメッセージなのかもしれません。

 “ボム”が黒のマジックでなされていた為、
 黒色メインの私のグラフィティには描く場所がなく仕方なく絵の縁に描いた。
 文字の上から描いたのでは自分の文字が見えづらいので
 文字を消すことはしなかった。

 という仮説も立つと思われます。

・仮説6 “新参者への警戒”

 グラフィティライターは“クルー”と呼ばれる集団を作り、
 コラボレートして絵を描くという文化があり、
 ライター同士が仲良くなりやすいということがあります。

 そこで排他的に、何も知らないものが好き勝手やるのは許さない。
 と考えたのかもしれません。


 以上、考えられる仮説を6つ立ててみました。
 この中でも有力なものは、仮説1“グラフィティ自体が低レベルだから”
 と思われます。

 そこで、今後の活動は、もっとクオリティを高めることに重点を置き、
 行うこととします。


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